私とジャズとの付き合いは、大学時代にさかのぼる。
私がはじめてジャズに接したのは、大学に入ってジャズ研に入部してからのことだ。それまでまったく楽器もやったことなかったのに、ジャズ研に入ったのはなぜかというと、女の子にもてそうだという単純な理由だった。事実、ジャズ研に入ってから女の子に交際を申し込んだが、簡単に断られてしまった。しまった、軽音部に行くんだったと思ったが後の祭りだった。
白紙の状態からジャズをスタートしたわけだが、楽器はベースをやることになった。理由は、ベースが足りないからベースをやれと先輩に命令されたからだ。どこのジャズ研でもベースは足りない。いちばん目立たないからだ。
不純な目的ではじめたジャズだったが、次第にモダンジャズの面白さにのめりこんでいき、女の子なんてどうでもよくなってしまった。ジャズ研で演奏するほか、プロのトラでススキノで演奏したり、プロバンドでレギュラーをもらったりした。大学のほうは次第に行かなくなり、3年生のときは1年も行かなかったが、これではまずいと思い、4年生で2年分の単位をとってきっちり4年で卒業した。
それから10年以上経ったが、今でも私は都内のジャムセッションに時々出かけてベースの演奏を楽しんでいる。