てんしょく

Mと名乗る人物から私の携帯に電話があった。

彼女は転職コンサルタントで、ある企業が人材を探していてあなたはぴったりだから転職しませんかという話だった。その気はないのでお断りした。また彼女は「I社はもう辞めたのですか」と聞いてきた。I社はずいぶん前に辞めている。情報古いよ。

日本には外資系企業に強いコネをもった転職コンサルタントが多くいる。彼らは、コネを使って人材が欲しいという情報をどこからか聞きつけてきて、エンジニアを一本釣りして紹介し、紹介料をもらうビジネスをしている。大手のEast Westなんかは別だが、ほとんどが個人商店である。アメリカ人が多く、なぜか皆日本語が話せない。どうやって税金を納めているのか不思議である。私がI社に転職したのも台湾人のA女史の紹介で、その会社はそうやって釣り上げられた人材で成り立っていた。オラクルやSAP、PeopleSoftの出身者が多く、社長からして元日本HP社長だった。日本に進出してきた外資系IT企業は、金払いがいい半面、ビジネスがうまくいかないとすぐ撤退してしまう。応募する人たちもそれは皆百も承知だった。友人W君なんかかわいそうで、WallDataジャパンにいたのだが、WallDataがNetManageに吸収されて消滅し、さらにNetManageも日本から撤退してしまった。僕はW君をI社に紹介したが、ほぼ同じ時期にI社を辞めた。彼はいまアメリカに住んでいて、オラクルに勤務している。今でも毎年年賀状をいただいている。

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