あかちゃん

なぜ日本のIT産業はこんなに競争力がないのか考えてみた。

結論から言うと、日本の企業が、非常にまずいやりかたでシステム調達をしているため、開発側の大手ITベンダーの競争力が育たなかったのではないかと思う。

まず、システム調達と言っても日本の企業は「調達」の名に値するようなことはほとんどやっていないように思える。複数社へ見積もり依頼をし、価格と納期を比較し、ベンダーの過去の開発実績を調査することぐらいは最低限やっておくべきだろう。また、パッケージですむものは極力パッケージですませるのも当然の選択肢だ(Excelのようなソフトが欲しい時、自社でExcelを開発する奴はいない)。系列や人間関係、バーター取引でシステムの発注先を決めるのは厳に慎むべきである。

日本企業がインドのIT企業へシステムを発注することはほとんどない。開発実績、コスト、品質を考えればどう考えてもインド企業からのシステム調達はもっと多くなければおかしい。言葉の壁とか言うが、通訳がいれば済む話であり、通訳にかかるコストはシステム開発コストに比べれば微々たるものだ。実際は日本のIT企業が受注したものを、インドのIT企業に下請けに出しており、当然ピンハネしているので、高くつく。ばかげた話だ。

手本になるようなシステム調達をあげてみよう。東証は次世代システムの開発にあたって、18グループに対して国際入札を実施した。

東証システム、全面刷新の真相

結果は富士通が受注しており、出来レースではないかという声もあるが、調達プロセス自体は評価できるものであると思う。

もうひとつ、まだうわさレベルだが、ゆうちょ銀行が全銀システムを接続するためのシステムをりそな銀行から買い取るという話がある。りそなは合併の際に余ったシステムがあり、ゆうちょ銀はそれを買い取るらしい。すでにシステムがあるのなら、買えばいいという発想は、正しいと思う。

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